源泉所得税は、原則として給与などの支払いをした月の翌月10日までに納付しなくてはなりませんが、給与の支給人数が常時10人未満の場合の「納期の特例」を利用すれば、半年ごとにまとめて納付することができます。
わたしが運営しているスモールビジネスもひとり会社であるので、この納期特例を利用して、これまで半年ごとに納付書(所得税徴収高計算書)を使って提出しています。e-Taxを使って使って提出すると、電子証明も不要でとても便利&簡単です。
- 源泉所得税の納期特例を利用するには?
- 所得税徴収高計算書(納付書)の書き方は?(国税庁のサイト)
- e-Taxを利用して納期特例の所得税徴収高計算書の作成プロセスは?
難しいプロセスではありませんが、半年に1回で戸惑うこともあるので、備忘録を兼ねて記録しておきます。同じような状況の方は、参考にしてくださいね。
当記事は、2021年6月時点の情報を参考にしています。
源泉所得税の納期特例を利用するには?
小さな起業においては、源泉税納付が半期に一度にできる納期特例は、毎月にルーティン事務作業の軽減につながりますので、ぜひ利用を検討したいですね。
納期特例を利用するには、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出する必要があります。
所得税徴収高計算書(納付書)の書き方
源泉所得税申告では、所得税徴収高計算書という納付書を作成することになります。納付書の書き方は、国税庁のサイトに詳しい説明があります。
インターネットにいろいろな情報が出ていますが、基本はここに立ち返って参照するのが確実です。
納付書記載のしかた(所得税・退職所得等の所得税徴収高計算書 (国税庁)
e-Taxを利用して所得税徴収高計算書を作成するプロセス
ここでは、e-Taxを使ってこの納付書を作成して提出するプロセスを記します。
尚、e-Taxのスクリーンはしばしば変更があります。下記は参考程度として、変更内容に応じて作業を進めてくださるようお願いします。
ステップ1:e-Tax開始&追加インストール
e-Taxソフトをスタートします。
- e-Taxをはじめて利用する場合:国税庁のサイト e-Tax 法人でご利用の方を参照して、ダウンロードするなどe-Taxを利用環境を整えます。
- e-Taxをすでに使用している場合:しばらく使っていない場合には更新します。
- 更新済みの場合には、下記のメッセージが表示されます。「追加インストール」を選んで、追加項目一覧の「申請」にある源泉所得税を追加インストールします。

ステップ2:e-Taxの利用者ファイルの選択
e-Taxをスタートさせると、次のような「e-Taxソフトへようこそ」とあるトップページが表示されます。

そこで、画面上部左側の「メイン」の右側にある▼マークを押し下げると、メニューボタンが表示されるので、利用者選択を選びます。

利用者ファイルは、e-Taxの利用者識別番号と利用者名を登録したファイルです。
- e-Tax利用が初めてであれば「利用者ファイルの新規作成」を選んで利用者ファイルを作成します。
- 以前にe-Taxを利用して法人税申告などをしていたら、「作成済みファイルを選択」を選びます。すると、以下の「利用者ファイルを開く」画面において、今回利用するファイルを選んでOKボタンを押します。

ファイルの場所を変更したりしていると、過去に利用しているのに、利用者ファイルが表示されない場合があります。そんなときは、拡張子がnccであるファイルを探してみると、ファイルへのパスを確認できます。
たとえば、Windowsのエクスプローラーであれば、ファイル名「*.ncc」で検索すれば該当のファイルがわかるので、その後にe-taxへ戻ってファイルを選びます。
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ステップ3:所得税徴収高計算書(納期特例分)をe-Taxで準備
いよいよ納付書の作成プロセスに入ります。左側の作成メニューから「申告・申請等」を選んで、「新規作成」へ進みます。

以下の「申告・申請等の作成」スクリーンが表示されます。ここで、手続きは「申請・届出」、税目は「源泉所得税」を選び、次へ進みます。(ここの税目で源泉所得税が選べないときには、ステップ1の追加インストールで源泉所得税がうまくインストールされていないことになるので、ステップ1へ戻って確認してください。)

次に、帳票は「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)を選択します。

ステップ4:所得税徴収高計算書(納期特例分)をe-Taxで作成
いよいよ「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)」を作成します。
先ほど作成したものが、状態が「作成中」になっていますので、これを選択しダブルクリックします。

納付書に内容を記入していきます。
下部にあるメニューから、途中保存ならば「保存」、作成終了ならば「作成完了」を選択します。
- 支払い年月日は、納付書記載のしかたに説明があるように、納期の特例の期間の最初と最後の支払い年月日を記載します。
- 人数については、実人員の合計数を記載します。例えば、ひとり社長で半年に6回支払った場合は 1 x 6=6人、社長と社員各1名で合計2名に各6回支払った場合には2×6=12人となります。
- 支給額は源泉する前の総額、税額は源泉した税額を記載します。
- 次回もe-Taxで納付予定ならば、所得税徴収高計算用紙の送付の要否の欄では、1番の「送付不要」を選択しておきます。

ステップ5:所得税徴収高計算書(納期特例分)をe-Taxで送信
左側の「送信」メニューから、作成した給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)が作成完了になっているので、これを選択しダブルクリックします。

内容を確認して、「送信」タブをクリックします。すると、暗証番号を入力するスクリーンが表示されます。マイナンバーカードによるログインか、利用者識別番号と暗唱番号によるログインかを選びます。後者であれば、暗証番号を入力して「OK」をクリックして完了です。

まとめ
半期に一度なので、毎回久しぶりの印象になってしまう納期特例を利用しての源泉所得税申告。
電子証明書も不要なので、提出プロセスはとてもシンプルですので、スモールビジネス運営の省力化には、ぜひ取り入れたいプロセスです。
これからe-Taxを利用して源泉所得税申告をしようという方の参考になれば嬉しいです!
