会社設立時の社会保険の新規適用届が5日以内に提出できなかったお話

会社設立時の社会保険の新規適用届が5日以内に提出できなかったお話

会社を設立して、すぐに法人として社会保険に加入する手続きをしようとしましたが、手続きのタイミングが微妙にわかりませんでした。

自分で会社設立⇒社会保険加入手続きをしようとして、同じように迷う方がいるかもしれないので、備忘録として残しておきます。

当記事は、2021年4月に加筆&再編集していますが、主として2017年10月時点の情報&体験に基づいているものです。

 

社会保険新規適用の手続きのタイミングは?

日本年金機構のウェブサイトでは、以下のとおりに厚生年金保険・健康保険加入が必要となる事業所について規定しています。

次の事業所は、厚生年金保険及び健康保険の加入が法律で義務づけられています。ご自分の事業所が厚生年金保険及び健康保険(協会けんぽ)の加入の手続をとらずに未加入となっている場合につきましては、「新規適用届」の提出をお願いします。

(1)法人事業所で常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用するもの
(2)常時5人以上の従業員が働いている事務所、工場、商店等の個人事業所

(日本年金機構のホームページより)

上記の(1)で、「事業主のみの場合も含む」とあるので、ひとり会社であるマリーの会社も、社会保険への加入が義務ということになります。

実務的にはいろいろ?

実務的には、事業主ひとりの場合にすぐに加入しない場合もあるようです。わたしの場合は、国民年金と国民健康保険料(前年の所得をベース)を支払うよりも、新設の会社の社会保険で厚生年金保険料と協会けんぽの健康保険料を支払うほうを選びたかったので、会社設立後にすぐに法人として社会保険新規適用の手続きをしようとしました。

 

日本年金機構のウェブサイトでは、「新規適用届」の提出時期は、「事実発生から5日以内」とあります。

ここでの「事実発生」を「会社設立」と理解すれば、会社設立から5日以内に新規適用届を提出する必要があります。ところが、法務局へ法人の設立登記申請した際には、登記申請日(=会社設立日)から2週間しないと登記の手続きが完了しない、と言われました。(注:これは登記申請する法務局の状況によって違います。)つまり、会社設立日から2週間たたないと、社会保険の新規適用に必要となる法人登記簿謄本が手に入りません。

つまり、マリーの状況は、以下のとおりでした。

  • 事実発生から5日以内に手続きをしたくても、2週間たたないと手続きができない。
  • 2週間たつと翌月になるので、会社設立月の月末時点で法人として社会保険へ加入できない。

参考:新規適用の手続き(日本年金機構)

 


社会保険の手続きはわかりづらいので、一般的でない状況がある場合には不安になりますね。

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登記簿謄本を入手してからすみやかに・・・

法務局に聞くと、「これは日本年金機構へ聞いてください」と言いますし、管轄の年金事務所に聞くと、「書類がないなら手続きはできません」と言います。ということで、「縦割り行政の問題点が、こんなところにも・・・」と思いましたが、年金事務所の担当者の対応からは、「こんな細かいことを気にする人はあまりいないよ~」というのが、電話の雰囲気から伝わってきました。

実務的には、「法人の履歴事項全部証明書(法人登記簿謄本)を入手してからすみやかに手続きをすればよい」みたいで、実際わたしもそのようにしました。会社設立月の社会保険加入を手続きができるかどうかは、登記簿謄本が入手できるかどうかによる、ということになります。

このあたりのことは明文化されていないようなので、特に、登記簿謄本を入手できるのが翌月になってしまうという場合には、年金事務所の担当者や社会保険労務士にしっかり確認することをおすすめします。

社会保険のことも忘れずに・・・

【注意点1】会社設立のタイミングについて

厳密に考えれば、会社設立月に法人として社会保険加入できない場合には、その月には別の社会保険に入っている必要があります。会社設立前にどのような社会保険に入っていたかによりますが、会社を退職して起業する場合には、1ヵ月だけブランクが空いてしまうリスクがあります。1ヵ月だけ「国民健康保険+国民年金」に加入となると、手続きも費用も結構なものになります。(特に前年の所得が多い場合には、国民健康保険の保険料はかなり高くなります。)

会社設立準備の際には社会保険のことまで考えが及ばないかもしれませんが、ひとり社長で会社設立の場合には、社会保険のことも考えてタイミングをプランすれば、思わぬ状況を避けることができるでしょう。(この記事で書いているマリーのような状況を避けるためには、月の前半で会社設立しておけば設立月から会社としての社会保険加入が可能になりますね。)

【注意点2】年金事務所による調査について

年金事務所は、定期的(数年に一度)に事業者に対しての総合調査を実施しています。ひとり社長で役員報酬をゼロとして社会保険に加入しないという選択肢をとる場合には、総合調査のときにきちんと説明できることが必要です。この辺りのことも考えて、当初の役員報酬を決めると安心です。

日常的に使っている税理士がいる場合でも、その税理士の先生が必ずしも「社会保険」に詳しいとは限らないので、必要に応じて社労士(社会保険労務士)の意見やアドバイスを得るとよいですね。

単発で相談できる社労士を探すには、上記でご紹介したココナラ のように、サービス料金と実績がが事前にわかるサービスを利用するようにしましょう。

 

まとめ:会社設立時は社会保険のことも忘れずに対応しよう

年金事務所にとっても、社会保険労務士にとっても、このあたりのことは当然のことなのかもしれないのですが、わたしはちょっと???となってしまいました。規則通りに対応しようとしたのですが・・・。グレーなことは実務的に対応していればよいということが多いと常々感じていますが、今回のケースもそういう結果になりました。

同じようなことで迷っている方の参考になれば幸いです。

単発でお願いできる社労士を探すには?

 

 

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