【起業直後のひとり社長の給与】役員報酬を低く抑えたいときにいくらとするか?で悩んだお話

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ひとり社長での会社設立の場合、起業当初はまだ売上が少なくて「会社の費用はできるだけ抑えたい」状況があります。そんなとき、「自分への給料をいくらにすればよいのか?」という疑問が生じます。

  • 役員報酬ゼロにしたときの問題点は?
  • ひとり社長の社会保険料はどうなるのか?
  • 給与を低く抑えつつ社会保険料を払える金額は?

そこで当記事では、実際にこの問題で悩んだ体験をベースに、上記の疑問に対する留意ポイントを説明します。役員報酬は会社設立したらすぐに決める必要があることですから、会社設立の準備をしている方はひとつの考え方として参考にしてくださいね。

 

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役員報酬を低く抑えたいときに留意すべき3つのポイント

役員報酬をゼロにすることは法的には問題ありません。

当サイトのマリ自身も、当初は「最初は自分への給与はゼロにしよう」と考えていましたが、いろいろ検討しているうちに結構悩んでしまいました。

それは、下記の通りに、役員報酬を低く抑えたいときに留意しなければならないポイントがあったからです。

社会保険料について

法人の場合、事業主のみの場合でも社会保険の強制適用事業所になります。つまり、個人で入る国民健康保険・国民年金ではなく、日本年金機構を通じて社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することになります。

参考サイト:

適用事業所と被保険者(日本年金機構)
社会保険加入についてのご案内((PDFファイル、厚生労働省・日本年金機構)

ここで留意しなければならないのは、社会保険に加入した場合、役員報酬報酬がゼロでも社会保険料が発生するという点です。

例えば、下の表は、東京都の健康保険・厚生献金保険の保険料額表(2019年4月分~)ですが、報酬月額が0円でも、赤色(健康保険料)・青色(厚生献金保険料)で囲った金額の支払いが必要になります。

この表で、折半額は個人負担分、全額は個人負担分と会社負担分を合わせた金額で、会社としては個人負担分を個人から預かり、会社負担分を合わせた全額を社会保険料として納める必要があります。

健康保険・厚生年金の保険料額表

 

個人負担分にフォーカスして、報酬ゼロの場合の社会保険料を計算してみると、以下の表のようになります。

報酬ゼロのときの社会保険料の月額金額例(2019年4月の場合)】*

  健康保険料 厚生年金保険料 合計
40歳未満 2,871円 8,052円 10,923円
40歳以上 3,373円 8,052円 11,425円

*: 保険料額は適宜変更されるので、必ず該当の最新のもので確認してください。

つまり、報酬ゼロでも大体1万円ちょっとの社会保険料の個人負担分が発生することがわかります。

報酬ゼロとすると、会社は役員報酬分から社会保険料の個人負担分を預かれないので、「会社が立替払い」あるいは「別途個人から社会保険料を預かる」などの対応が必要になり、事務処理が煩雑になります。

役員報酬を低く抑えたい場合でも、社会保険料の個人負担分を報酬支払い時に天引きして預かれるような金額設定(つまり1万円強を超える金額)にしておけば、このような事務処理を避けることができます。

ひとつのアイディアとしては、1万円代だとお給料の半分以上が社会保険料として天引きになってしまうので、せめて社会保険料よりも手取り分を多い設定にすると、3万円くらいになるでしょうか?

役員報酬を変更できるタイミング

役員報酬は、いつでも好きなときに変更できません。というのは、法人税において、定期同額給与といって、基本的に毎月の支給額が同額である給与が法人税での損金に算入できることになっているのですが、この定期同額給与を改定できるのは、期首から3ヵ月までの期間のみだからです。

例えば、起業当初に役員報酬を月額3万円と低く抑えていた場合、半年たって役員報酬を月額30万へ変更したくなった場合、「翌期の期首まで待つ」あるいは「増額分を損金に算入できなくても役員報酬を変更する」という選択になってしまいます。

通常に考えれば、後者の損金に算入できないという選択をとらないですから、役員報酬を変更するには翌期まで待つ必要があります。

「役員報酬を極端に低く抑えすぎてしまい生活ができない」という状況にならないように、起業当初の個人としてのキャッシュフローをしっかり考えて役員報酬を設定する視点が大切です。

参考サイト:

No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)(国税庁タックスアンサー)

せめて1年分の生活費は確保しよう!

上記を踏まえて、起業独立する場合、最初の1年はお給料なしでも生活できるくらいの貯金をしておくと安心です。あるいは、「別の収入がある」「共働きである」など、初年度で個人のキャッシュフローを心配しないで済む状況が必要です。起業して最初の1年は、ひとり社長として会社のキャッシュフローの面倒を見なければなりませんから・・・。

決算書への考慮が必要な場合

小さな起業であれば、銀行からの借り入れなどもないから「決算書の細かい内容にまでこだわる必要はない」と考える場合も多いでしょう。

しかし、法人名義で賃貸契約をしたり、中小企業向けの助成金を申請したりなど、意外に決算書の提出が求められるシチュエーションはあります。

その際に、決算書において役員報酬が常識外れに低い場合には、とても目立ちます。目立つだけでなく、役員報酬を抑えることで益出ししていると判断されてしまうリスクもあります。

起業当初にはなかなか想定はできませんが、創業時に作成する向こう数年の事業プランから考えて、決算書への考慮が必要な状況があるようであれば、役員報酬の金額を慎重に決定しましょう。

マリ

当サイトのマリの場合は、主として社会保険料のところで記した考え方に基づいて、起業当初の役員報酬は月額3万円に設定しました。お給料たった3万円!そこから社会保険料が1万円以上差し引かれて手取りが2万円足らず。それも起業1年目は未払い給与として会社にお金は残しておきました。

その話を家族や友人にすると、「ちょっと桁が違うのでは・・・?」とびっくりされてしまいましたが、最初は会社の売上がなかったので、自分としては会社のキャッシュフローを重視して決めました。精神的にもこの選択でよかったと思っています。

まとめ

起業当初の役員報酬」の問題は、あとになって考えれば小さな問題なのですが、ひとり社長として会社設立したばかりのときには、他にもいろいろな事務処理がたくさんある状況のなかで、ある程度先のことも考えて自分の役員報酬を決めるのは、結構悩ましい問題でした。

尚、上記はひとつの考え方としての参考例にすぎませんので、個々のケースにおいては、必要に応じて専門家のアドバイスを得て判断するようにしてください。

当記事が、ひとり社長として起業して「自分の役員報酬額を低く抑えたい」と考えている方の参考になれば幸いです!

 


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