起業するときに、まずは個人事業でスタートして、売上げがある程度になってから法人成りする、という流れを推奨されている場合が多いです。
しかし、当ウェブマガジンの編集長マリーは、小さなビジネスのスタートにあたって最初から合同会社を設立しました。
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おはようございます🌅
\独立時に個人事業からと
勧められがちですが
わたしは最初から合同会社を設立結果
✅法人ビジネスがしやすい
✅資金管理にメリット
✅自分のモチベーション✨
などメリットあり一般論が誰にも正解とは限らない例です🥰
どうぞよい1日を💞#おは戦30321mn🍨#合同会社
— マリー🌟複業ライフ実践中@スモールビズ・プロジェクト (@smallbiz_proj) March 20, 2021
このツイートにあるように、「最初から合同会社を設立してメリットが多かった」と感じています。もともと当記事は、起業して2年目にこの想いを綴ったものでしたが、起業して6年目となった今でも同じ想いでいます。
特に、わたしと同じように、会社員や専門職として組織に属していた方がスモール起業、あるいは複業・副業として「自分のビジネス」をスタートさせる場合に、「最初から合同会社を設立の利点」を知ったうえでビジネス形態を決めるとよいと思います。
専門家に相談をすると、「個人事業主から始める」というアドバイスを受けるかもしれませんが、金銭的なこと以外にも考慮すべき点があるので、「自分の状況ではどうなのか?」を慎重に検討すべきです。
ここでは、合同会社での起業を実際にやってみた経験者の視点で、その主なメリットとデメリットを整理してみました。
これから起業を考えている方の参考になればうれしいです。
当記事は、2021年4月に加筆&再編集しました。(初投稿は、2017年10月です。)細かくは下記に記したもの以外にもいろいろな視点があると思いますが、ここでは普通の会社員が複業やスモール起業で「自分のビジネス」をする場合の参考例としてご覧ください。
合同会社で起業するメリット
法人としての契約が可能
わたしが始めた小さなビジネスでは、海外の企業や教育機関と契約を結ぶ必要がありました。
契約の相手方はみな法人。そのため、こちらも基本的に「法人」であることが求められました。これが合同会社で起業した一番大きい理由です。
実質的にはわたしひとりの合同会社であっても、合同会社はれっきとして「法人」ですので、法人として契約をすることができました。
海外では、合同会社にあたるLLC (Limited Liability Company) が日本よりも一般的である場合が多いので、「株式会社か?」「合同会社か?」のような質問をされることもありませんでした。
「法人としての運営&契約が求められる」という場合で、株式会社を設立するのはちょっとハードルが高いという場合に、合同会社は現実的&実務的な選択肢になります。
会社設立の手続きをほぼ自分でやったときの体験を、以下の記事に記しました。同じように「できるだけ自分で会社設立の手続きをしたい」と考える方は参考にしてくださいね。
株式会社よりも設立も運営もシンプル
いろいろな場所ですでに説明され尽くされていますが、株式会社と比較して、合同会社は設立も運営も事務的な面でシンプルです。
例えば、以下のような点が挙げられます。
- 設立時には、登記費用が最低費用で6万円と株式会社よりずっと安い。(株式会社の場合には15万円)
- 株式会社では、取締役会、株主総会など設置する機関が定められているが、合同会社では特に必要がない。
- 株主総会がないので、総会開催の必要がない。議事録作成の必要もない。
- 計算書類の公告の義務がない。
- 株式会社と同様に、有限責任社員。(出資の価額を限度に合同会社の債務を弁済する責任がある。)
一般的なスモール起業の場合、将来的に会社売却や会社上場などをめざすのでなければ、合同会社はとてもコスパのよい選択と言えるでしょう。
合同会社を株式会社へ変更することも可能ですので、将来的に状況や考え方が変わった場合には、その時点で変更をすればよいわけです。
利益分配の割合がフレキシブル
合同会社では、利益の分配は、出資の割合によることになっていますが、定款に記載することで、出資額にかかわらずに利益分配の割合を決めることができます。そのため、出資比率と利益分配比率を自由に設定できることになります。

付随的なメリット
これらは、必ずしも「合同会社」というメリットではありませんが、「会社設立しての起業でよかった」と感じている点です。
当初予想はしていませんでしたが、実際に体験してみて、意外に大きなメリットでした。
気持ち的な問題
個人によってそれぞれだと思いますが、わたしの場合は、法人としてビジネスを運営しているほうが、気持ちが楽でした。
会社として運営していることで、(自分自身に対してではありますが)ビジネスとしてコミットメントしている表明になります。

キャリアとファイナンスの基盤
起業した時点で、今後のキャリアがどうなろうとも、会社員や専門職(フリーランス)としての働きかただけではなく、ポートフォリオワーカーとして、複数のキャリアの柱と収入源をもつワークスタイルを目指していました。
- そのため、「会社員」あるいは「専門職」としての自分個人の収入&ビジネスだけではなく、「法人格」としてビジネスのベース(基盤)になるものに大きな意味がありました。
- 起業したあとも、ほぼ「複業ライフ」を歩んでいますので、法人を持ったことで、長期的な視点を持てるようになりました。
この辺りの想い&考えかたについては、下記の記事でも触れています。
プライバシー保護の問題
法人の住所は個人の住所とは別のものを使いました。
そのため、日常的にビジネスで使う住所(名刺・ホームページ・契約書など)においては、個人の住所を出すシチュエーションはなかったので、自分のプライバシー保護という点でよかったです。
設立1年目の社会保険対策
会社勤め⇒個人事業主になると、健康保険については、基本的に国民健康保険に入ることになります。
その場合に、保険料は前年の所得が基準になるのですが、会社勤め時代にまあまあのお給料をもらっていると、独立1年目の国民健康保険の負担がかなり重くなります。
しかし、合同会社として社会保険に加入することになれば、決められた給与に対応する社会保険料(健康保険料と厚生年金料)を支払うことになります。ビジネスが安定するまでの間、会社勤め時代よりもお給料が低ければ、当然に社会保険料も低くなります。
支払う厚生年金保険料が安ければ、将来の年金額に影響しますので、「給与金額をどの程度にするか」については、しっかり検討することが必要です。
起業に関する手続きで、自分で対応できる範囲を超えていると感じる場合には、専門家を利用することを検討しましょう。
「専門家の利用」というと、直接の知り合いやコネクションがない場合は不安を感じますが、ココナラ であれば、サービス料金の実績と実績が事前にわかるので、安心して利用できます。単発の利用にも対応している専門家を探せる点も便利です。
尚、どの士業の方に相談&依頼するかについては、定款の作成に関しては行政書士(あるいは司法書士)、会社の設立登記に関しては司法書士の方に依頼することになりますので、参考にして選んでくださいね。
合同会社で起業するデメリット
知名度が低い
「合同会社」のことをよく知らない人が多いです。
B to Cのビジネスの場合には、個人の方が会社名をみて「?」となる場合もあるかもしれないので、その点を考慮する必要はあるかもしれません。
ただ、一般的には知られない人が多くても、実務的には問題はないので心配はいりません。

税務と社会保険での責任
税務面では、株式会社と同じになるので、合同会社だからといってのメリットは特にありません。だから、利益が出ていなくても均等割などの税金が発生してきます。(均等割りは、事業所の場所、資本金、従業員数によって違ってきますが、例えば東京23区のみに事業所がある場合で、資本金1,000万円以下、従業員が50人以下の場合で、均等割り7万円です。)
給料の支払い時の源泉徴収義務、社会保険加入など、一人会社でも法人としての義務が生じて、当然に事務手続きが必要となってきます。
まとめ:合同会社はスモール起業のビジネス形態におすすめ!
合同会社を設立して起業した体験から、合同会社のメリット・デメリットについてまとめてみました。
スモールビジネス起業で、「個人ではなく法人でビジネス運営したい」「株式会社のような知名度は必要ない」という場合には、合同会社はおすすめです。
あくまで個人的な体験なので、状況によって違う点はあると思いますが、運営上のメリットが大きいというのが実感です。
起業する際のビジネス形態に迷っている方の参考になれば幸いです!
これから合同会社を設立しようと考えている方は、「会社設立日」や「登記住所」の検討をしておきましょう。以下の記事を参考にしてくださいね。
また、会社設立には、法人用の印鑑が必要になります。一度作ったら長く使うものなので、「自分好みの印鑑」を選ぶようにしたいですね。以下の記事を参考にしてくださいね。
合同会社は、2006年に5月に施行された会社法で設けられた会社形態なので、比較的に新しいといえます。
このような経験もあって、自分の起業において合同会社という形態を選ぶことに不安は感じませんでした。