【合同会社設立時の現物出資】小さな起業でパソコンを現物出資した体験記

起業する女性のイメージ写真

小さな起業では、事業で使うPCを先に購入する場合が多くありますが、その際には会社設立時にパソコンを現物出資することができます。

当サイトのマリも、会社設立の前年に購入したノートPCを会社設立にあたって現物出資をしました。そんなに難しい手続きではありませんが、実際にやってみると、いくつか留意すべき点に気付きました。

ここでは、合同会社の設立にあたって現物出資をした体験を記します。同じような状況の方は、ひとつの例として参考にしてくださいね。

 

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現物出資できるものは?

小さな起業においては、一般的にPCや車を現物出資するケースが多いかと思います。他にも、貸借対照表に載せることができる資産であれば、現物出資することができます。

現物出資のメリットとして、現物出資した分は資本金に含まれるので「資本金をその分大きくすることができる」点があります。逆の見方をすれば、例えば資本金300万円の会社を設立するときに、現物出資が50万円分あれば現金出資は250万円で済みます。

現物出資に際しては「何を現物出資できるか?」をしっかり事前に検討しましょう。ただし、貸借対照表に載せて減価償却していくことになるので、あまり細かいものだと事務処理が面倒になってしまうので、ある程度まとまった金額のものを選ぶようにします。

ホームページも現物出資できる!

事業で使うホームページも現物出資することができます。

  • 業者に依頼してホームページ制作をした場合には、基本的に業者に支払った金額がホームページの現物出資の価格になります。
  • すでに個人事業としてホームページを運営していた場合には、売上見込みなどによって営業権を加えることもあります。

 


自分で会社設立手続きをする場合には、クラウド会計の会社設立サービスが便利です。

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合同会社の設立手続きを自分でやった体験談については、以下の記事にまとめましたので、合わせて参考にしてくださいね。

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自分でやる合同会社設立~自力で1週間でやった体験記

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現物出資をするタイミング

合同会社の現物出資をするタイミングに関しては、会社法578条に以下の記述があります。

設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。

会社法578条(合同会社の設立時の出資の履行)より

上記を簡単に順番にすると、以下のとおりになります。

(1)定款の作成⇒
(2)出資に係る金銭の全額払込み又は出資に係る金銭以外の財産の全部を給付⇒
(3)合同会社の設立登記

つまり、現物出資のタイミングは、「定款の作成後」「合同会社の設立登記前」というタイミングになります。

現物出資の内容を定款へ記載

現物出資の内容については、定款に記載しなくてはなりません。(同会社の場合、会社法第576条1項6号にその記述があります。)

マリの場合は、出資に関わる部分の記載は、以下のようになりました。現物出資したパソコンについては、製造番号まで詳しく記述しました。

(社員の氏名、住所、出資及び責任)
第5条 当会社の社員の氏名又は名称及び住所、出資の目的とその価額及び責任は次の通りである。

1. 金272万円

パーソナルコンピューター(パナソニック社製平成XX年製レッツノートRZ4/プレミアム/SSD XXXGB/製造番号4XXXXXXXXX) 1台
金 28万円

東京都(以下住所)
有限責任社員 平成マリ子

 

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財産引継書の作成

現金の出資とは違って、現物出資の場合には、社員から合同会社へ財産が確かに引き継がれたことがわかりません。そのため、設立登記申請書に財産引継書を添付して、法務局へ提出することになります。

財 産 引 継 書
     

1. 現物出資の目的たる財産

パーソナルコンピューター(パナソニック社製平成XX年製レッツノートRZ4/プレミアム/SSD XXXGB/製造番号4XXXXXXXXX) 1台
金 28万円

以上の金額の合計 金28万円

私所有の上記財産を現物出資として給付します。

平成XX年X月X日

XXX合同会社御中

有限責任社員 (住所) 東京都(以下住所)

(氏名) 平成マリ子 印

 

ここで留意したのは、財産引継書の日付です。上記の現物出資のタイミングで見たように、「定款の作成後」「設立登記前」の間の日付になるようにしました。また、印鑑は、この書類は設立する合同会社に宛てた書類になるので、個人としての印鑑になります。

 

資本金の額の計上に関する証明書

合同会社の場合、法務局のサイトの商業・法人登記の申請書様式の持分会社の設立の項にある記載例を参照すると、現物出資に際しては、通常の書類に加えて「資本金の額の計上に関する証明書」が必要になることがわかります。

資本金の額の計上に関する証明書

①  払込みを受けた金銭の額(会社計算規則第44条第1項第1号) 金272万円

② 給付を受けた金銭以外の財産の出資時における価額 金28万円
(会社計算規則第44条第1項第1号)

②  ①+② 金300万円

資本金300万円は会社計算規則第44条の規定に従って計上されたことに相違ありません。

平成XX年X月X日

XXX合同会社

代表社員  平成マリ子 代表印   

 

ここでの日付は、金銭の払込みと財産の引継ぎの後になる日付にしました。マリの場合は急ぎで手続きをしたので、財産引継書と同じ日付になりました。また、印鑑は、この書類は合同会社としての書類になるので、会社の代表印を使うことになります。

 


会社用の印鑑を急ぎで作るときには、インターネットでの注文が便利です。ずっと長く使うものですから、急ぎではあってもポイントを押さえて選ぶようにしましょう。

会社印鑑セットの写真

会社設立時に法人用印鑑をつくるときの5つのポイント~急ぎのときは印鑑通販ショップの利用が便利

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現物出資の金額決定と仕訳

現金出資が272万円、パソコンの現物出資が28万円の資本金の仕訳は、以下のとおりになりました。

(借方) 
現金 272万円  
備品  28万円

(貸方)
資本金 300万円 

ここで、現物出資したパソコンの金額を当初に決めたときの経緯を記します。

現物出資する価格は、パソコンの時価になります。購入して半年以上過ぎていたものの、新製品だったせいか中古市場に同タイプの商品が出回っていなくて、時価を確認することが難しい状況でした。そこで、客観的な方法として経過月分を減価償却させた簿価を使うことにしました。

具体的には、以下のステップで計算をしました。

【非業務用から業務用に転用の未償却残高を計算】
参考:中古資産を非業務用から業務用に転用した場合の減価償却

パソコンの取得価格:332,373円
パソコンの耐用年数4年x 1.5= 6年(72カ月)
旧定額法6年の償却率 0.166
現物出資までの月数9カ月>> 1年(6カ月以上切り上げ)

332,373 x 0.9 x 0.166 = 49,657
332,373 – 49,657 = 282,716

以上のように計算して、28万円を現物出資額としました。

中古資産の減価償却について

現物出資したパソコンは、貸借対照表に資産計上されて減価償却していきます。

マリのケースでは、現物出資した中古パソコンの耐用年数は、以下のとおりに計算されました。

【中古資産の耐用年数】
参考:中古資産の耐用年数

パソコンの耐用年数4年(=48カ月)
経過月数9カ月(1カ月未満切り上げ)

48 – 9 + 9*0.2 = 40.8カ月=3年4.8カ月>>3年(1年未満切り捨て)

少額減価償却資産として初年度に経費処理も可能な金額ですが、当初は赤字なので経費を増やす必要ないと判断。固定資産として計上し、3年で償却していくことにしました。

パソコンの金額により初年度以降の経理処理は異なるので注意!

上記の例では、固定資産として計上しましたが、パソコンの金額が10万円未満であれば、初年度に消耗品として処理することができます。

まとめ

現物出資をすることで、そのぶん資本金の金額を増やすことができるので、小さな起業においては現物出資は起業当初の大切な選択肢と言えます。

上記は、基本的に法務局の記載例を参考に作業できる範囲の「合同会社設立時のパソコン現物出資」という例です。とても単純な例なのですが、マリが作業したときに、実際の中古資産計算や耐用年数計算を含めた全貌の実例を見つけることができなかったので、同じような状況において参考になるかと思い記しました。

個々の状況によって、判断や計算は異なってくると思いますので、あくまで一つの体験記としてご参照ください。

当記事が、現物出資をして合同会社を設立しようという方の参考になれば幸いです!

 

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